水中、流水中でのご使用について
水中や頻繁に流水に曝される用途では、ZAM®の特長である安定した保護被膜層が形成されにくくなるため、亜鉛めっきに対するZAM®の優位性が発揮されず、早期に赤錆が発生する場合があります。上述の用途でご使用される場合はご注意下さい。
お取扱いについて
・めっきの表面を傷つけないため、お取扱いには慎重を期し、汗や指紋などが表面につかないようにして下さい。
・万一表面を傷つけた場合は、補修を行なって下さい。
・コイルバンドをはずす場合は、コイル端部がはね上がる等の危険がありますので十分注意して下さい。
・コイルの転倒や切板の荷崩れを避けるため、安定した状態で保管して下さい。
・水濡れ、結露には十分注意して下さい。また、梱包紙が破損した場合には、補修して下さい。
加工について
・加工にあたって表面を傷つけると耐食性、塗装性に悪影響を及ぼします。特にプレス加工の際、潤滑油の種類によってはめっき層を腐食する場合がありますのでご使用前にご確認下さい。また、ご使用された場合には、加工後に脱脂等の後処理を行なって下さい。
・鋼板は時間がたつにつれ硬くなる傾向があり、加工性の劣化等を招きます。それを避けるため、なるべく早くご使用いただくようお願い致します。
異種金属との接触防止について
・ZAM®等が、他の金属と接触して腐食が促進されることを異種金属との接触腐食といいます。この現象は浸漬電位の異なる金属(異種金属)と接触した際に現れる現象です。
・接触腐食が促進すると懸念される環境(塩害環境や湿潤環境)でのご使用に当たっては、ZAM®と同等の電位を有する亜鉛めっき製品等のご使用をお勧めします。
・また、浸漬電位がZAM®より貴であるステンレス等をご使用になる場合には、絶縁処理やコーティング処理を施すことを推奨いたします。
防腐・防蟻処理木材との接触腐食防止の
ためのお願い事項
防腐剤、防蟻剤を含む木材との長期直接接触を避けて下さい。
防腐防蟻処理(主として銅系の薬剤使用)した木材や合板は、めっき鋼板や塗装鋼板の耐食性に影響を及ぼしますので、直接木材又は合板に接触する部分(軒先、けらば、棟包み、雨押え、降り棟、谷部、目地など)には絶縁用下葺(ルーフィング材又はブチルテープなど)で防錆し、当該木材や合板との直接接触は避けて下さい。
(出典:塗装/亜鉛系めっき鋼板の異種金属接触さび防止方法,日本鉄鋼連盟 建材薄板技術・普及委員会)
溶接について
・抵抗溶接の際は、亜鉛のピックアップによる電極の汚れが生じますので、適当な手入れをして下さい。
・ZAM®を含むめっき鋼板は溶接時の熱により、めっきが蒸発するため、熱冷延鋼板に比べスパッター、ヒュームの発生量が増加します。安全対策を講じ溶接作業を実施下さい。
<めっき鋼板の溶接における安全対策について>
めっき鋼板を溶接する際に安全面でご注意いただく項目として溶接全般に共通な感電、アーク光による目の障害、高熱物への接触による火傷、火事の発生に加えて
1.亜鉛の蒸発によるヒューム発生量の増大
2.スパッター発生量の増加による火傷、火災があります。
特にヒュームはめっき鋼板の溶接においては不可避ですので適切な対策の実施をお願い致します。
なお、人体に対する亜鉛の影響を表に示します。
1.亜鉛の蒸発によるヒューム発生量の増大
2.スパッター発生量の増加による火傷、火災があります。
特にヒュームはめっき鋼板の溶接においては不可避ですので適切な対策の実施をお願い致します。
なお、人体に対する亜鉛の影響を表に示します。
亜鉛の人体への影響
項 目 | 影 響 |
---|---|
発癌性 | 現在のところ確認されていない |
急性中毒 | 亜鉛ヒュームを多量に吸引すると数時間後に発熱することが知られている (亜鉛ヒューム熱)。24時間程度後に自然治癒する。機構は明らかになっていない。 |
慢性中毒 | 亜鉛が慢性中毒症状を起こす証拠は得られていない。 |
その他の影響 | 亜鉛が欠乏すると成長遅延、性腺機能低下、うつ状態、食欲低下等を起こす場合がある。 |
亜鉛は鉄に次いで多く人体に含まれている元素であり、重要な必須元素である。防護策を講じて多量に採取しない範囲では有害性は低いと考えられる。
出典:和田 攻「金属とヒト─エコトキシコロジーと臨床」朝倉書店(1985)