日本製鉄 NIPPON STEEL CORPORATION

注意事項

ご使用上の注意

水中、流水中でのご使用について

水中や頻繁に流水に曝される用途では、ZAM®の特長である安定した保護被膜層が形成されにくくなるため、亜鉛めっきに対するZAM®の優位性が発揮されず、早期に赤錆が発生する場合があります。上述の用途でご使用される場合はご注意下さい。

お取扱いについて

・めっきの表面を傷つけないため、お取扱いには慎重を期し、汗や指紋などが表面につかないようにして下さい。
・万一表面を傷つけた場合は、補修を行なって下さい。
・コイルバンドをはずす場合は、コイル端部がはね上がる等の危険がありますので十分注意して下さい。
・コイルの転倒や切板の荷崩れを避けるため、安定した状態で保管して下さい。
・水濡れ、結露には十分注意して下さい。また、梱包紙が破損した場合には、補修して下さい。

加工について

・加工にあたって表面を傷つけると耐食性、塗装性に悪影響を及ぼします。特にプレス加工の際、潤滑油の種類によってはめっき層を腐食する場合がありますのでご使用前にご確認下さい。また、ご使用された場合には、加工後に脱脂等の後処理を行なって下さい。
・鋼板は時間がたつにつれ硬くなる傾向があり、加工性の劣化等を招きます。それを避けるため、なるべく早くご使用いただくようお願い致します。

異種金属腐食

①異種金属と接触させて使用すると腐食電位の卑な金属の腐食が促進されます。
②リベット類にSUS304等の貴な金属を使用すること等による異種金属腐食が懸念される場合は、対策として貴な金属のコーティング等による絶縁処理が必要です。

防腐・防蟻処理木材との接触腐食防止の
ためのお願い事項

防腐剤、防蟻剤を含む木材との長期直接接触を避けて下さい。

防腐防蟻処理(主として銅系の薬剤使用)した木材や合板は、めっき鋼板や塗装鋼板の耐食性に影響を及ぼしますので、直接木材又は合板に接触する部分(軒先、けらば、棟包み、雨押え、降り棟、谷部、目地など)には絶縁用下葺(ルーフィング材又はブチルテープなど)で防錆し、当該木材や合板との直接接触は避けて下さい。
(出典:塗装/亜鉛系めっき鋼板の異種金属接触さび防止方法,日本鉄鋼連盟 建材薄板技術・普及委員会)

溶接について

・抵抗溶接の際は、亜鉛のピックアップによる電極の汚れが生じますので、適当な手入れをして下さい。
・ZAM®を含むめっき鋼板は溶接時の熱により、めっきが蒸発するため、熱冷延鋼板に比べスパッター、ヒュームの発生量が増加します。安全対策を講じ溶接作業を実施下さい。

<めっき鋼板の溶接における安全対策について>
めっき鋼板を溶接する際に安全面でご注意いただく項目として溶接全般に共通な感電、アーク光による目の障害、高熱物への接触による火傷、火事の発生に加えて
1.亜鉛の蒸発によるヒューム発生量の増大
2.スパッター発生量の増加による火傷、火災があります。
特にヒュームはめっき鋼板の溶接においては不可避ですので適切な対策の実施をお願い致します。

溶融亜鉛系めっきの黒変現象について

概要

・溶融亜鉛めっき鋼板は時間の経過とともに表面の光沢が低下する、いわゆる黒変現象が起こることが知られております。
ZAM®も溶融亜鉛系合金めっき鋼板と同様に変色することがあります。

黒変現象とは

・黒変現象とは、亜鉛表層の極く薄い酸化膜の存在によって黒く見える現象です。
溶融亜鉛めっき鋼板は製造直後でも亜鉛めっき表層にZnOを主体とする極く薄い酸化膜を形成していますが、これは時間の経過とともに変化成長していく性質をもっています。
当社ではこれまでの経験から次のようなメカニズムで黒変する現象がおこると推定しています。
① 酸化膜が成長する

② 酸化膜構造、厚みが変化する

③ ②の状態変化によって光の吸収率が変化する

④ 表面が黒く見える

黒変現象の特徴

・黒変現象は次のような特徴を有しています。
溶融亜鉛系合金めっき鋼板は亜鉛表層が極く薄い酸化膜(ZnO主体)に覆われていますが、素材製造条件、材料構成、環境などの条件によって酸化膜の変化成長の速度が変動し、黒変と認識されるまでに要する時間が変わります。
これは避けられない現象ですが、一般的に高温多湿条件下で促進されることが分かっています。
黒変現象は亜鉛めっき表層の酸化現象であるため、その部分の品質は黒く見える以外は正常品と同じです。
・この現象はコイルや切板在庫中に進行しますので、できるだけ早い時期のご使用をお願いいたします。

ご注文にあたって

材質・めっき付着量・化成処理・塗油

・用途に応じ、適切な材質・めっき付着量・化成処理をお選び下さい。また、化成処理の種類とは別に防錆油の塗油、無塗油をお選びいただけます。プレス加工時の潤滑、汚れや傷付きの軽減等のためには、塗油をお選び下さい。なお、無処理の場合は塗油が必要です。

寸法

・本カタログ記載の製造可能範囲より設計して下さい。使用条件により厳しい仕様が必要な場合は予めご相談下さるようお願い致します。なお、製造可能範囲外の寸法についても、ご相談下さい。

形状

・用途に応じ、ミルエッジかトリームエッジをお選び下さい。
また、切断・加工条件によりコイルか切板かをお選び下さい。
作業の連続化、自動化、歩留まりの点からコイルのご利用をお勧め致します。但しコイルの場合、若干の不良部分が混入している場合がある点をご了解下さい。(検査の結果による不良部の除去が出来ないため)

内径・外径

・コイルの場合、設備の仕様により、内径、外径をご指定下さい。内径のご指定にあたっては、板厚によりコイル内径部に腰折れ等が生じるおそれがあることを考慮いただきたくお願い致します。

梱包質量

・荷役能力等により梱包質量をご指定下さい。コイルの場合、最大質量(必要な場合は最小単位質量も)ご指定下さい。質量が大きいほど、作業性は向上します。

用途・加工方法

・用途や加工方法をお知らせいただければ、より適合する品質管理を行ないます。