水素に強い
水素は多様な資源から製造できるカーボンニュートラル実現に向けた鍵となる元素です。水素は原子番号1の最も小さい元素です。その性質ゆえ、素材の中に入りこみその素材を脆くします。その現象にはまだまだ未解明なことも多いです。
高圧水素用ステンレス鋼HRX19®
水素社会の実現には、見えない敵「水素」を制した『鉄』が必要不可欠
日本製鉄は、水素に強く、高強度で溶接性にも優れた新たな材料を、世界で初めて開発・実用化
何故、実現できたのか・・・
- 独自の成分調整
ニッケルやマンガン、クロムの量を最適化し、水素への耐性を向上
- 高度な熱処理技術、加工法との組み合わせ
窒素の含有量を高め、熱処理や加工法を工夫することで、鉄の結晶粒径を約10分の1まで微細化し、高強度化
- 現存する鋼材の改良で時間短縮
様々な鋼材規格の中から原子力用途にごく一部が使われていた、ASME（米国機械学会）規格の鋼種を採用
高圧水素用材料のグローバルスタンダードへ
大流量・高速充填、安全性、軽量化。高圧水素環境下で使用できる溶接可能な高強度材料は「HRX19®」だけ。
開発者／匠の声
性能評価を含め、材料技術と製造技術の両輪で早期の開発を実現することができました。お客様の本製品の性能に対する期待の大きさと弊社の技術サポート体制への高い信頼がHRX19®の採用に向けた原動力となりました。
耐水素ガス脆性ステンレス鋼
来るべき水素社会に備え、当社では高圧ガス保安法/一般則例示基準に準拠する316L-HiNiに加え、低Ni,省Moを実現したNSSC STH®2を開発いたしました。
NSSC STH®2
水素への耐性を向上させた当社独自開発鋼。低Cr、低Ni、省Moを実現。
さらに304L、316Lに対し、1.2倍の強度（引張強さ）をもつため、薄肉・軽量化が可能です。
316L-HiNi
高圧ガス保安法/一般則例示基準に準拠。
汎用316Lと比べ、水素への耐性を向上。
